2025/11/15 23:29

 小さい南部鉄器の工房は甑でコークスを熱源に鉄を熔かしますが、コークスを使う前は木炭で鉄を熔かしてました。

 木炭を熱源にするとコークスより温度が上がらず、不安定になり今はコークスを熱源にして鉄を熔かします。
甑はお米を蒸す道具も甑と言い、それと形が似ているので甑と呼び、3段の形の違う筒状の鉄で下は溶けて鉄が溜まるばちに風を送り鉄を熔かす部分とコークスと材料を投入して上部まで積み重ねる部分の三つで構成され、キュポラを小さくした感じの物です。そしてキュポラよりサイズが小さいので、熔けた鉄の温度もキュポラより低い温度の鉄になります。
 甑で鉄を熔かすのは、自然の影響にも左右されて、湿度の高い時は良い状態の鉄を得るのが難しく、職人の感が大切になります。
 今は甑で鉄を熔かせる職人も少なくなり、またそれに変わり、電気炉(高周波、低周波など)で鉄を熔かす所も多くなってきました。
 及鉄鋳造所宝鉄堂は今も甑で鉄を熔かします。