2025/11/08 20:27

 砂鉄製鉄瓶は砂鉄が含まれる鉄を溶かして作った鉄瓶で、一般的な鋳鉄より材質が硬く、作り上げるのに熟練した職人の技術を必要とします。

 日本に砂鉄が豊富にあり、江戸後期に洋式高炉での鉄鉱石の熔解が成功するまで砂鉄を原料とするたたら製鉄が行われてきました。江戸時代に作られた鉄瓶は自ずと砂鉄製の鉄瓶で、砂鉄を原料とする銑鉄は昭和の中頃までは作られていました。
 砂鉄が原料の銑を熔解して作った頃の鉄瓶は、穴が開いたり不良が多く作るのに苦労したといい、鉄鉱石を原料に熔鉱炉で取り出された銑鉄で鉄瓶が作られるようになると大分不良も減ったと言われます。
 及鉄鋳造所宝鉄堂の砂鉄鉄瓶は初代及川鉄の時代から砂鉄を含む原料を厳選して甑で鉄を熔かし作り、職人の技術が詰め込まれています。