2025/10/29 21:16
鉄は空気に触れると自然に錆て、水と酸素に触れると赤錆が発生しますが、これは鉄の自然の姿で鉄瓶も自然に錆、お手入れして使い込むと自然の良い錆色になり侘び寂も感じられます。
鉄は酸素と水に反応して出来る赤錆と鉄を熱するとできる黒錆があります。赤錆は水酸化第二鉄で鉄を腐食させ、黒錆は四酸化三鉄と呼ばれ、表面に被膜を作り鉄と酸素や水の接触から守ってくれます。
この黒錆を利用して錆止めをした南部鉄瓶の技法を金気止めと言い、鉄瓶を900度位の温度で焼き鉄瓶の表面に酸化被膜を付けます。鉄瓶の表面に黒錆を施していても、黒錆にムラが有ったり、剥がれたりしてくるとそこから水が浸入して赤錆が発生します。大量に鉄瓶を作る工場では電気炉で釜焼きをしますが、及鉄鋳造所宝鉄堂は木炭で鉄瓶を釜焼きをし、木炭で焼く釜焼きの鉄瓶は電気炉で焼くより厚みのある黒錆ができます。
鉄瓶を使い終わった後に水を残さず、乾燥させて上手に使いこんでいくと、中にふつふつと錆が出てきます。これは黒錆で水から鉄を守り、更に水垢も付着してきます。鉄瓶の中に錆が出来ても、お湯が金気臭く無かったら錆を擦ったりしないでそのままにして使い込みます。


