2025/10/08 22:44

 現在の南部鉄瓶の作り方は大きく分けて手作業で作る焼型の鉄瓶と機械等で作る生型の鉄瓶が有ります。

 焼型製の鉄瓶は江戸時代から継承される伝統的製法でその工程数は60以上と言われ、手間を掛けて手作りで作られる鉄瓶です。一方生型製の鉄瓶は産業の発達と共に開発された製法で、大量生産が可能な製法です。
特に焼型と生型の違いは鋳型の作り方で、焼型は砂と粘土水(はじる)で、木型を回して、挽いて鋳型を作り、紋様はへらで一つ一つ押して作り、そして炭でその鋳型を焼きます。生型は砂とベントナイトとでんぷん粉に水を加えて混錬して砂を作り、鉄瓶の形を写したプレートにその混錬した砂を被せ、付き固めたり、プレスしたりして鋳型を作り短時間で鋳型を作る事が出来て、またその砂は再利用されます。
 焼型で作る鉄瓶は手間を掛けて作られる為価格は生型製の鉄瓶より高価になり、その価値は焼型の鉄瓶は薄く作る事ができて軽く、鉄瓶の肌や模様は生型では真似のできない味わいのある唯一の鉄瓶になり、使い込めば使い込むほど艶が出て一生ものの価値になります。