2025/09/02 21:26

 鉄瓶や鉄器は岩手の南部鉄器が有名ですが、岩手の産地は奥州市と盛岡の二大産地です。

 南部鉄器は昭和34年に水沢鋳物工業協同組合と盛岡の南部鉄瓶商工業協同組合は全県的な組織のもとに共同の利益の保護増進並びに業界の振興発展を図る事を目的に岩手県南部鉄器協同組合連合会を設立し、旧伊達藩の水沢鋳物工業協同組合は伊達鉄器と呼ばず、岩手県の南部に位置する事から南部鉄器と呼び、南部鉄瓶商工業協同組合は旧南部藩の南部の名称を用いて南部鉄器と呼ぶことになりました。
奥州の南部鉄器と盛岡の南部鉄器はそれぞれルーツが異なり、奥州は約900年前の平安末期で平泉の奥州藤原氏が近江の国から鋳物師を招いたのがルーツで盛岡は1659年に南部藩主が初代の小泉仁左衛門を京都から招いて茶の湯釜を作らせたのが発祥とされています。
 ここに南部鉄器が今も発展し続けていることは、岩手には豊富な砂鉄や鉄鉱石、木炭が取れて、それぞれの藩の理解と保護の元、先人達の努力により今も南部鉄器の技術は受け継がれています。