2025/08/29 21:03
鉄は自然に錆び、錆色は鉄の自然な姿で、鉄瓶を長も次第に自然に錆びて、その錆びた風合いが侘び寂を感じさせます。
及鉄鋳造所宝鉄堂の鉄器は錆色を得意とし、その錆色は炭火で焼き付けて漆とお歯黒で着色して及鉄鋳造所宝鉄堂独特の色合いになり、使いこまれた鉄瓶は錆色と自然出来た錆と合わさりその風合いが侘び寂を感じます。
鉄は元々酸化鉄の鉄鉱石を還元して鉄を作り出し、その鉄は再び酸化鉄に帰ろうと水や酸素と結びつこうとします。
鉄の錆にも種類が有り、鉄を水に付けたままにして出来る錆は赤錆で赤錆は鉄を腐食させていきます。
もう一つは鉄を高温に熱するとできる黒錆です。黒錆は安定系の錆で鉄を赤錆から守ってくれる錆です。
黒錆は、高温で熱する以外にもお茶などのタンニンでタンニン鉄になり赤錆が黒錆にかわります。
及鉄鋳造所宝鉄堂の南部鉄瓶は江戸時代からの南部鉄瓶の伝統的製法の焼型で作り、炭で焼いて黒錆を施す金気止めをして、着色は焼き付けて漆とお茶と錆を混ぜたお歯黒で着色します。
そうした黒錆と漆とタンニン鉄で覆われた鉄瓶を使いお終わったら水分を乾燥させて、表面は温かい内に布巾で拭き、それを繰り返し長く使うと、錆色の漆塗りの鉄瓶は、黒錆も纏い深みのある自然な錆色になり侘び寂が感じられ鉄瓶になります。


