2025/08/15 14:25

 珍しい鉄瓶が有るという事で及鉄鋳造所宝鉄堂を覗いてその鉄瓶を見せてもらうと、民芸運動が行われた時代の鉄瓶で形も生活に密着したその時代に使い易い形でした。

 鉄瓶のイメージは鉉の形や、鉄瓶の蓋の摘み、鉄瓶の底などはある程度形が有りますが、修理を依頼された鉄瓶は今の鉄瓶のイメージと異なる形です。当時の生活様式を垣間見る感じで、囲炉裏に自在鉤に掛けて使い鉄瓶の蓋の摘みが火箸で取れるような形が特徴的です。そして鉄瓶の底が三ヶ所のポッチという感じの物が付いて囲炉裏の脇に置いても直接熱が伝わらないのかなと思います。
 民芸運動は大正の末期に柳宗悦らによって日常使いの手作業で作られた器などに美を見出そうとする運動で、この手取り鉄瓶はその息吹を感じます。