2025/08/14 22:39

 焼型で作る南部鉄器の昔からある工房には火室があります。今日はまだお盆期間ですが、及鉄鋳造所宝鉄堂を覗いて見ると壊れかけていた火室を補修してました。

 南部鉄瓶の伝統的製法の焼型は木炭で火を熾して焼き、木炭は粘土と砂で作って焼いた火室に入れて火を熾します。粘土と砂で出来た火室は木炭を熾すとムラ無く熱が伝わりやすく、南部鉄器を作るには欠かせない物で、使っているうちに粘土と砂で出来ている為に薄くなってきたり割れたりしてくるので補修したりします。
 火室を使う時は鋳型を焼き、注ぎ口や摘まみを焼き、鉄瓶や釜を焼き、鉄瓶を焼き付けて漆で着色します。そして夏は暑いですが、冬は暖を取るのに欠かせません。
 今は火室や木炭を使わずに、ガスや金属の容器を使う南部鉄器の工房が多いですが、及鉄鋳造所宝鉄堂の南部鉄器は今でも昔からの火室や木炭が作る風合いを大切にして手作業で南部鉄器・鉄瓶を作ります。