2025/07/24 22:54

 鉄瓶は使いづらそうですが、ちょっとした手間で長く使えば使うほど、まろやかなお湯を作り、美を感じる価値のある道具に育ちます。

 鉄瓶の使い方で一番注意する所は使い終わった後に水を残さずに、鉄瓶の中を乾燥させて仕舞うのが大事です。最低限これだけ守って鉄瓶を使い続けると、自然に黒錆が出来てそして中に湯垢ができます。
簡単そうな事で長く使う事ができ、素敵な鉄瓶に育っていきますが、たまに水を入れっぱなしの時や、水分を飛ばそうと再び火に掛けて、それをついうっかり忘れて空焚きしてしまう事もあります。空焚きした時は慌てて水で冷やさないでそのまま自然に冷まします。空焚きするとせっかく育った黒錆や湯垢が剥がれてしまう事も有るので、その時はもう一度最初から育て直します。鉄瓶を使っているとたまに中の錆や漆が剥がれる事も有るので鉄瓶で沸かしたお湯は最後まで使わずに残して、残ったお湯は捨てます。
 鉄瓶の中に赤錆が出来てしまったら、こすったりして取らずに水を入れて軽く濯いで、お湯を沸かしてそのお湯が金気臭く無かったら大丈夫です。またはお茶のティーパックやお茶の出涸らしを茶巾に入れて煮出すとお湯が黒くなり赤錆が取れます。
 鉄瓶はそうして手間を掛けて使い、そうしたことが鉄瓶に愛着が湧き価値ある鉄瓶に育ちます。