2025/07/06 19:49

 鉄瓶に興味があるが、使いづらそうで購入をためらってしまう方も多いと思いますが、ここで鉄瓶を理解して頂ければ魅力を感じてお手入れをしたくなると思います。

 ほとんどの南部鉄瓶は金気止めと言う方法で鉄瓶を釜焼きして中に酸化被膜を施しています。中には産地を偽ったり価格が安い物はそのまま塗料を塗っている鉄瓶もあります。岩手の産地奥州と盛岡で作られた鉄瓶には金気止めが施されています。その中にも金気止めだけで素焼きのままの鉄瓶が有れば、金気止めをしてその上に漆を塗っている鉄瓶もあります。
購入したばかりの新しい鉄瓶は中が素焼きのままの場合は、水を8割位入れて沸騰させてお湯を捨てる事を2~3回繰り返すと、お湯も綺麗になり使用できる状態になります。
 湯垢は長年鉄瓶を使用すると自然に付くので無理に付けようとしないで自然のままでいいです。それより大切な事は鉄瓶を使い終わったら残ったお湯を捨てて完全に水分を乾燥させて鉄瓶を仕舞ってください。そうすると自然に黒錆が育っていきます。これは鉄を守ってくれる錆で無害です。
 焼型製の鉄瓶は金気止めの処理をして酸化被膜が付いている鉄瓶に漆を塗っているのが多いです。漆を塗っている鉄瓶の使いはじめは、8割位水を入れて沸騰させてお湯を捨てる事を5~6回繰り返します。漆の付け具合にもよりますが、最初のうちは漆が剥がれる黒い物がお湯に混ざっている場合も有りますが、匂いも取れてまろやかなお湯になります。個人差になりますが未だ漆の匂いが気になりましたらあと2~3回お湯を沸騰させて捨てる事を繰り返すと匂いが消えると思います。
 漆を塗っている鉄瓶は使っていると、漆が少しづつ剥がれたりするので、鉄瓶のお湯の最後は残して使うのがお勧めです。そして残ったお湯わ捨てて中を乾かします。
 鉄瓶の使い方使い終わったら水分を完全に無くし乾燥さてしまいます。表面は余熱が有るうちに柔らかい布巾で拭きます。鉄瓶の中の漆が無くなる頃には黒錆が付き、湯垢が付いて素敵な鉄瓶に育ちます。