2025/06/25 21:34
鉄瓶は南部鉄瓶が有名ですが、他の産地も有り、製造方法や、形も色々有り、岩手の二大産地の奥州市の南部鉄器の生産者からの目線で紹介します。
鉄瓶は岩手県の南部鉄瓶以外にも、山形や栃木、そして京都、大阪にも鉄瓶があり他にもあります。南部鉄瓶は今では有名ですが、そもそも由来は盛岡は江戸時代に京の釜師で奥州は平安時代末期に近江の国から鋳物師から伝わっています。
南部鉄瓶の昔からある形は、南部形、富士型、平丸形、などが有り、他は製作者のデザインで作ります。
鉄瓶の鋳型の作り方は、大きく分けて2つあり、鉄瓶の形の木型を切り、粘土、砂、粘土水を混ぜて、木型を回して作る挽き型でそれを焼いて作る焼型と、鉄瓶の形を粘土や石膏で鉄瓶の原型を作り、原型からでも見切りを決めて、上部と下部に分けて、砂とベントナイトとでんぷん粉と水を混ぜた砂を突き固めて鋳型を作る生型製法があります。この他にも、蝋型や樹脂が混ざった砂を使う造形法が有ります。
南部鉄瓶の江戸時代から続く製法は挽き型で作る焼型で、焼型で作る鉄瓶は虫食いや尾垂れなどの技法など機械では作れない手作業ならではの形が有り、又生型に比べ鉄瓶の重さも軽く作られます。しかし完成するまで手間ひまが掛かり価格も高価になります。
一方生型製の鉄瓶は、原型からアルミのプレートに鉄瓶の形を写すと、機械で大量に作る事ができて、鋳型をプレートから抜く事ができる範囲で色々なデザインで作る事できますが、一つ一つの個性が無い分、お求め安い価格で作る事ができます。 それと使う材料も焼型と生型の鉄瓶と異なり、焼型はより天然の材料を多く使い、着色も漆を使ってます。
簡単にまとめると生型製の鉄瓶は価格は安いので、デザインが気に入り、ただ鉄瓶を使うだけなら生型製の鉄瓶で良いと思います。
価値観や趣や使い易さを求めるのなら焼型の鉄瓶をお勧めします。


