2025/05/26 21:03
鉄瓶を使ってみたいが、使うのが大変そうなので躊躇している方が多いと思われますが、生産者と我が家の経験からブログを通じてお伝えします。
・まず鉄瓶の初めの使い方ですが、南部鉄瓶の中は釜焼きをして酸化被膜を付けて錆止めをしますが、そのままの素焼きの物と酸化被膜の上に漆を塗っている物があります。
・中が素焼きのままの鉄瓶は8割ぐらいの水を入れてお湯を沸騰させて捨てて、これを2~3回繰り返すと臭みと汚れが取れて鉄瓶を使う事ができます。
・酸化補膜の上に漆を塗っている鉄瓶はお湯を沸かして捨てる事を5回以上は繰り返します。漆の臭みが取れるのが5回以上で漆の厚みが多い鉄瓶は10回位で臭みが取れます。漆を塗った鉄瓶は使って中の漆が剥がれる頃は黒錆が中に出来上がってます。
鉄瓶のお湯を使う時はお湯を全て使わず、漆の剥がれや錆の剥がれが底に残る場合が有るので少し残します。残ったお湯は熱いまま捨てるとと余熱で鉄瓶の中は乾燥します。残ったお湯が冷めた場合は再び熱くして捨てて中を乾燥させます。
普段の鉄瓶の使い方は使い終わったらお湯を捨てて中の水分を完全に無くすことです。鉄を水分を触れさせない事が大事です。
外側の表面は暖かい内に絞った布巾で拭くと艶がでますが、お茶の成分が入った水で拭くのは、黒い鉄瓶では黒い艶が出ますが、茶色などの鉄瓶に拭くと黒く変色してきます。
鉄瓶の中に赤錆が発生して気になり取りたい場合はお茶の出涸らしを布で包んで煮出してしばらく置くとお湯が黒くなり錆が取れます。この反応はカテキンと錆の酸化鉄が結びついて錆が取れ、これはカテキン鉄といいまた鉄瓶の中にカテキン鉄の被膜を作り水との接触を防いでくれます。
こうして鉄瓶を使っているうちに中に水垢も付着して、ますますまろやかなお湯を作る鉄瓶に育ちます。

