2025/04/28 09:08
南部鉄器が使いづらい理由の一つに赤錆が発生し易いと言う欠点がありますが、それには錆を知る事が必要だと思い調べてみました。
資料は岩手工業試験場や大手鋳物メーカーのカタログなどを参考に錆については、錆にはいろいろあり、鉄以外の金属にも錆が有ります。
亜鉛やアルミニウムは白い錆、銅の錆は黒や青、ニッケルに生じる錆は緑色と色々な錆が有ります。
鉄の錆にも色々ありますが、代表的なのは赤錆です。この赤錆の中にも孔食、応力腐食などがあり、鋼と鋳鉄でも違いが有ります。
鋼は錆びてボロボロになりますが、鋳鉄は炭素分が多く黒鉛が組織の中に分布するのでこれが錆びの腐食の進行を防いでくれます。鋳鉄は鋼より錆には強い材質と言われていますが、それでも錆びてしまいます。
その中でほとんど錆びない金属も有り、それは金やチタン、そしてステンレスです。錆びない理由はごく薄い酸化被膜を自発的に作られていて、水や酸素の侵入を防いでくれます。
鋳鉄の代表的な錆には赤錆と黒錆が有り、赤錆は腐食性の錆で水と酸素に反応して水酸化第一鉄になり、それが更に酸化を重ねて水酸化第二鉄になりこれが赤錆です。そしてこの赤錆を防ぐことは鉄が水と酸素に触れさせないようにする事になります。
鉄瓶の鉄に水と酸素が触れさせないようにする為に釜焼きをして表面に酸化被膜を施し、使った後は水分を飛ばして鉄瓶を乾燥させます。そして使っているうちに更に黒錆と湯垢が付いて、水と酸素に鉄が接触しなくなります。

