2025/04/19 18:31

 焼型で作る南部鉄瓶は作る砂から分けて、砂、粘土、水を使い、工程が多く有って手間が掛かります。手間や時間が掛かる分その出来栄えは一つ一つの鉄瓶に独特の風合いが有り、焼型製の鉄瓶は少し高価になりますが美術的価値もあります。

 鉄瓶の作り方は大きく二つに分けると昔から作られる焼型と近代に発達した生型が有り、生型は効率良く生産する為に開発された鋳造法です。南部鉄器業界も戦後の高度経済成長期に生型の生産を導入し、鉄器を量産化して発展してきました。一方焼型で作る南部鉄器の工房は美術的付加価値を見出しながら、少量生産ながら、細々と存続してきました。
 今になりようやく手作りが脚光されてその焼型の価値が見いだされ、及鉄の南部鉄器はその中で今も純粋に焼型一筋の工房です。